転任のあいさつの類句

◆異例の抜てき

 ○○氏は、いままでの計理の手腕と、工業簿記関係に明るいという卓抜な識見と実践力が認められて、ここに異例の抜てきを受け、関西支社の計理部長を命ぜられ、近日、赴任の途につかれることになりました。

 私ども後輩にとって、このたびのご栄転は、心からお喜びを申し上げ、祝福する次第でございます。

 

◆栄転は偶然ではない

 ○○山君は、入社以来、ご自分の仕事に対する研究、努力は、他人の追随を許さないほど厳しいものがありました。そういう君にとって、今度のご栄転は、決して偶然ではなく、君の努力と研修の実りといえます。

 君だけの才能とねばり強さがあれば、どこにいっても人にひけをとることはありません。男一匹、堂々と君の道を歩まれんことを心よりのぞみます。

 

◆さらに尽くせ一杯の酒

 この送別の宴をもって、しばらくは君に会うこともなくなるであろう。

 渭城の長雨 軽塵をうるおし

 客舎青育として柳色新なり

 君に勧むさらに尽くせ一杯の酒

 西のかた陽関を出ずれば故人なからん

 わが青春時代に憶えた詩だが、今の私の心境にぴったりといえる。君が新しい土地に赴任してしまえば、旧友もいないであろう。どうかこよい一夜、われわれとともに、別れの杯をくみかわしてくれたまえ。

 明日からは、またお互いに新しい日がはじまるのである。おおいにがんばろうではないか。

 君よ、さあ杯をとりたまえ。

 

◆島流しという社内の風評

 このたびの○○君の転任については、傍系会社への転任であることから推して、「島流しはだれにきまるのだろう」といった噂を耳にして、私は唖然といたしました。私がこの送別会の席をかりて、特にお話しするのも、そういった誤解をとく気持からでございます。まったくこれは、けしからぬことでして、N産業の盛衰は、同時にわが社の問題であり、けっして先方の社員の立場を、軽々しく考えてなどはおりません。

 ○○君に転任の白羽の矢が立ったのは、○○君が学生時代から鉱物質の研究をされ、その方の造詣も深くまた事務のことにもあかるい点が、適当ではなかろうかと、幹部の方々から、○○君を推す声が強く、最適任者として選ばれたわけです。

 N産業再建のための赴任なのですから、そうとうの苦労を覚悟していただかねばなりませんが、それだけにやりがいのある仕事が与えられたのです。○○君、どうかがんばってきて下さい。

 さあ、○○君のために、愉快な送別会にしようではありませんか。

 

◆限りない愛惜の情

 ○○さんが、このたび当社の最大出張所である。A出張所の所長にご栄転なさるとうかがい、いよいよお別れせねばならないのかと、限りない愛惜の情がわき断腸の思いでございます。しかし、この人事は、○○さんの人望のうえからも、人格、識見の点から考えましても当然のことというのが、われわれの意見であります。

 気のはやい連中は、われわれもA出張所に転勤の工作をしようかなどといっている者もおりますが、もちろんこれは、私的な感情で許されることではございませんし、そんな個人的に勝手なことはできません。しかし、○○さんをお慕いする、部内の者はみな、そんな思いでいっぱいなのです。

 しかし、この際、われわれとしては、自粛自戒してご栄転の○○さんを、心からお見送りすることが、われわれのなすべきことであり、同時に君の喜ばれるところであろうかと存じます。

行列200mオーバーの最高の中華そば!!

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