転任する上司へのあいさつ

 私から当支店一同を代表しまして、この度の突然のご転勤にさいし、ひとことお別れのごあいさつをのべさせていただきます。

 一昨年の定期異動のおりに、山川次長が本店から当支店においでになってから、早いもので二年の月日が過ぎてしまいました。「いく川の流れはたえずしてしかももとの水にあらず」と方丈記の中に人の世の無常のさまがかいてありますが、まったくそのとおりでして、お世話になった二年間が夢のようにすら思われてなりません。

 失礼ないい方かもしれませんが、木にたとえるなら次長は樫の木ではないかと思うのです。樫は常緑樹で一年中青い葉をつけ、秋にはどんぐりという愛らしい実がなります。当支店でわれわれは、その樫の木の葉であり、実であったように思うのです。菓も実も、その後にいつも母胎となる木に支えてもらって、いきいきと業務にはげむことができたわけです。こう考えてまいりますと、お別れするのが肉親との別れのようにつらくなってきます。

 しかし、今度のご転任はF支店の支店長として赴任されるのですから、歓呼をもってお送りするのが、当然のことでございます。二年間いろいろとご教示をいただきまことにありがとうございました。どうぞあちらにいかれましても、われわれのことを時折は思い出してください。またなにかとご相談したり、ご依頼せねばならぬこともでてくるかと思いますが、その折はよろしくご教示のほどおねがいいたします。

 最後に、次長のご健康と今後のご多幸をお祈り申し上げます。

 

転任する先生を送るPTA会長のあいさつ

 梅のつぼみもふくらみはじめ、春がもうそこまできているこのごろの日々でございます。

 このたび山田校長先生がS市の小学校に転任されることになりました。ここにPTA会員の皆さんを代表いたしまして、会長といたしまして、ひとことお別れのことばを申し上げます。

 山田先生が本校へ赴任されましたのは、○年前で、それ以来今日に至るまで、先生には種々のご苦労をおかけし、その一つ一つをとり上げていたら、とてもこの席で語りつくすことはできません。中でも私たちが忘れることのできないのは、交通安全教育を徹底させられると同時に、校門前の歩道橋の建設に献身的な努力をはらわれたことでございます。おかげで本校からは一人の交通犠牲者も出さず、無事故を誇っております。

 このほかに、先生は公民館長として、激しい校務のかたわら、婦人学級、読書会、スポーツ団体の育成など、町全体の文化活動の指導者としてご活躍くだされまことに、先生が私たちに残された業績は、有形、無形に偉大なものがございます。

 私たちはこの偉大さを永久に忘れることはないと確信しております。

 このたびのお別れは、ご栄転と承ってはおりましても、私情として愛惜の念はなはだ深いものがございます。これも、先生の前途を思えば、振りきらねばなりません。そして心から先生のご栄転をお祝いするものでございます。

 新しい任地S市には、いまなお雪が降っているということでございますが、あちらに参られましてからも当地にまさる教育効果をあげられますよう、どうぞご自重、ご自愛くださいまして、先生のご多幸をお祈り申し上げる次第でございます。

 お元気でご赴任くださいますよう。

行列200mオーバーの最高の中華そば!!

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