2 転任者を送るあいさつ

 

上役として今後の活躍を祈る

 今夕は○○君の栄転をお祝いする会の開催に際しまして、上司としてひとことお祝いを申し上げます。

 近代ビジネスの社会では、イエスマンは好ましくないとされております。上役のいうことをご無理、ごもっとも、なにごともおっしゃるとおり、ではいけないのです。自分の意見が正しいと思えば、上役の反対をもあえておかして、主張すべきところは堂々と主張し仕事に責任をもつということが、部のため、社のためになる有能なビジネスマンといえるのです。

 ○○君は、入社以来五年、最初はみていてあぶなっかしいところもなくはありませんでしたが、二、三年ののちには、毎日の職場における不断の勉強と、きびしい自己鍛練がものをいい、押しも押されもしないわが社の中堅社員になり、職務上はまったく有能なビジネスマンに成長し、古い教育を受けた私には教えられることも多くありました。

 この度、K市の支店の業務拡張にあたり、本社から優秀な人材を送り、第一線の業務を強化する方針が決定し、その人選に候補者は数人あがりましたが、最後に○○君の日常の努力と豊富な経験が重役会で大きく評価されて、本日辞令が発動されたわけでございます。K市は、わが社にとってはまだまだ未開拓の分野が残されており、社業の発展には好個の地域でありますがそれだけに同業者間の競争もはげしいところです。

 ○○君にとっては、それだけ活躍しがいのある地といえますし、また本社できたえた経験が役立って必ず多大の成果をあげてくれることを期待しております。私にとりましても、君をいま他に転属させられてしまうことは、大変な損失なのですが、これも社の発展のためですから致し方のないことと思って娘を嫁にやるような気持でおります。別れはいつでもかなしいものですが、君の未来はこれからです。新任の地だからといって遠慮などせず、自重自愛をされて、大いにがんばってください。

 

同僚として前途を祝う

 この度の定期異動で、○○君が本店の課長付として栄転されることになりましたので、こよいはわれわれ同僚の有志があい集まり、まことにささやかではございますが送別の宴をはり、○○君の前途を大いに祝福したいと思います。

 ○○君がわれわれの課に在任中のことを考えてみますと、いろいろな思い出があります。愉快にスムースに進んだ仕事もあれば、仕事が予定どうりにはかどらず、上役からは、仕事の進行を毎日毎日たずねられて困ったこともありました。とくに今春の大きな取引きを成立させるためには、課員一同苦労したものですが、○○君はへたばりそうになるわれわれを叱咤しながら、活躍しその働きぶりは今もなお当時のめざましさが眼前に浮かんでまいるほどです。

 思い出話しをはじめたらきりがありません。本店には、○○君を必要とする仕事が山ほど待機しているものと思いますので仕事の話はこの辺でやめましょう。

 私個人といたしましても、○○君とは席を並べた仲の良い友人として、別れるのはほんとうにつらい思いですが、別れはまた新しい創造につながるものともいえましょう。どうぞお元気で、君の創造力と実行力を大いに活用してがんばられんことを祈ります。

行列200mオーバーの最高の中華そば!!

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