新ちゃんおめでとうございます。もうこうなれば、君の年齢を公開してもよいと思います。今年で33歳の佐藤君は、たしか昨年までは「独身主義」を標傍して、われわれ家族もちを大いにうらやましがらせていたものです。

 特に、五年ほど前の私の結婚式のときなぞは、「ほんとうにバカなヤツだな」といった、憐れんだような眼つきをしたものです。それが突然、本日の結婚式を迎えるに至った理由は、佐藤君のいうことを信ずるならば、自分のあとつぎがほしくなったためということです。何が彼をそのように変化させたか、それは本日ご出席の皆さま方なら、もうすでにお分かりのことと存じます。

新婦のまさ子さんは、ファッションモデルの筆頭として御活躍、聞こえの高い才女であります。まったく、男がほれる男には、目のある女性がほれるもののようです。そして男もこういう女性のためには、自分を投げうつ決心をするようです。

 結婚するにあたって彼が私たち同僚に宣言したことは、まず毎日弁当を持って出社するよ、ということと、次には、よい後とりを得るために、一年に二度もホールインワンを出したという、好きなゴルフもこれからは休日に行かないよ、ということであります。新ちゃんが結婚するというニュースより、新ちゃんが弁当を持って出社することになる、ということのほうが、パァーっと社内に広まってしまったほど、これは近来、印象的なできごとでした。

 仕事優先の新ちゃんが、弁当持ちでくるなら、まさ子さんがせっせと毎日弁当を作る、まことにうるわしい風景と申せましょう。しかしここでひとこと、あまりすてきでない夫たちからいわせていただくなら、あまり新ちゃんもすてきな且郡にはなってほしくないということです。新ちゃんがあんまりすてきな旦那になってしまったのでは、われわれ友人としていささかつまらないことになりそうだからです。まあ、適度にすてきな夫になり、妻になられて、念願の後つぎを一日も早く作られてください。


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