スピーチのしめくくリ

 

一般的なしめくくりのことば

 

 

□日本一の立派なご家庭を

 

お二人のあたたかい心のふれ合いからは、きっと立派な家庭ができると思います。どうぞ日本一、いや世界一の新しい良い家庭を作っていただくようにお願いいたします。これで失礼いたします。

 

口明るく、ご健康に

 どうか今後とも明るく、ご健康でお二人が末長くお幸せをつづけられ、世にも輝やかしいご家庭を営まれますよう、心からお祈りして、祝辞といたします。

 

口かぎりない声援を

 いろいろとお祝いのことばを申し述べたいと思っておりましたが、あまりの喜びに感きわまって、これ以上つづける言葉が浮んでまいりません。お二人の新しい生活にかぎりない声援をお送りすることにして私のごあいさつを終ります。

 

□いつまでも仲よく手を取リ合って

 どうかお二人でいつまでも仲良く、手を取りあって、長い人生を楽しく疲れないで歩きつづけてください。これをもちまして私のお二人に対するお祝いのことばにかえさせていただきます。

 

口末長いご多幸を

 私はここにお二人の末長いご多幸を祈りつつ、大きな感慨をこめて、改めて結婚おめでとうを、声高らかに申しあげたいと思います.

 

口幾久しいおしおわせを

 以上まことに無遠慮におしゃべりいたしましたが、ひたすらお二人の幾久しいお幸せを祈りまして、あえて日頃の考えを述べ、お祝いのことばにかえさせていただきます。

 

口ご両家のご繁栄

ご両家のご繁栄、新家庭のご多幸を切にお祈り申しあげて、お喜びの言葉の結びといたします。

 

口あなたの思いやりと勇気が

 学生時代に示したあなたの思いやりと勇気が、結婚後はきっとしあわせを守り抜くでしょう。以上まことに簡単ですが、お祝いのことばにかえさせていただきます。

 

口幸福を信じてうたがわない

 今ここに選ばれたお二人が、しっかと手を握りあって、はげましあい、いたわりあって幸福のコースをたどられることを信じて疑いません。終わりにこのめでたいお席にお招きいただきましたことを厚く御礼申しあげます。

 

口今日のお気持を生涯に

 私は若い方たちの結婚式に参列するたびに、自分のその当時の決意を回想して新たな感慨を持つものでございます。どうかお二人とも今日のお気持を生涯お忘れなく、幸福なご家庭をきずかれ、立派な社会人として成長されますよう祈念し、お祝いのごあいさっといたします。

 

口山の信頼と協力で

 山の仲間にはお互いの信頼とゆるぎない協力が欠くことのできないものでございます。結びあったザイル

は目的を達するまで解くべきではありません。お二人のこれからの人生も、山登りと同じでありましょう、山できたえられた精神でお二人の前途がいっそう多幸になるよう、祝福するものでございます。

 

口私たちのお手本に

 最後に、今日から新家庭作りの先輩となられる忍さんに、私ども後輩としてともにお願いがございます。それはあまり満点の奥様になられないでほしいということです。忍さんのセンスなら、きっと旦那様に気に入られて住み心地のよいご家庭ができると思います。それが私たちに口惜しいけれど真似のできないお手本となるのですから、どうか八十点ぐらいにとどめて、私たち後輩を引立てる思召をいただきますよう。こんな勝手なことのいえるほどお幸せな第二の人生へのご出発でございます。幾久しく心からお祝い申しあげます。

 

口再婚を祝したしめくくり

 今後鏑木君が、あたらしい奥様によってますますその本領を発揮されますよう、鏑木家の将来を祝福するものでございます。

 

口再婚、新しく理想の伴侶を

 これまで人並優れたご活躍をされていました新郎は、新しく理想の伴侶を得られて、こんどは二倍いや三倍、四倍のエネルギーをもって、しかもご家庭のことは安心してご活躍が期待できると思っています。改めてお二方の前途を祝し、ご多幸を祈って止みません。

 

口再婚、若いものの結婚とちがって

 この上は若いものの結婚とちがって、われわれからとやかく申し上げることはございません。お二人はきっと万事うまくやっていかれることでしょう。私たちはお二人の栄ある門出を心から祝福して盃を上げさせていただきます。ほんとうにおめでとうございます。

 

口そのほうが五倍も賢い

「人の言葉は善意にとれ、その方が五倍も賢い」とシェークスピアは言っています。そういえば、善意にとらなかったばかりに、大きな悲劇をシェークスピアは「オセロ」その他で扱っているではありませんか。人のいうことを額面通りに受取ることはおめでたいことではありますが、おめでたいほうが言葉の裏を読んで利口ぶる者よりどんなに素晴しいかわかりません。ある禅僧から「夫が生涯ボロを出さずに女房とだまし得たら、それでもよい、また女房も嬉しく楽しく生涯気づかずにだまされおおせたら、これほどの幸福はない」ということを間いたことがあります。まことに生きた人間学ということでしょう。

 

口正しく見るには

 「ものごとを正しく見るには、たった一つのやり方しかない。物ごとの全体を見ることだ」とはラスキンの言葉です。きわめてあたり前のことで、むりにラスキンが言わなくても、あたしが言ったってその通りなのですが、それでは権威がない。しかし夫婦ゲンカのこととなると、あたしの言うことでも権威がございます。夫婦ゲンカというものは、さきのラスキンの言葉ではないが、ものごとを正しく見ないから起きるので、夫婦の生活全体から見ればケンカの原因なんてあるものではありません。

 

口一人で旅する者は

 「一人で旅する者はいつでも出かけることができる。だが他人と一緒に旅する者は、連れの用意ができるまでは、待たなくてはいけない」とは森の哲学者ソローの随想の中にある言葉ですが、この旅は人生の、ことに結婚を理解するとき、最も適切です。結婚していながら、そして子どもがありながら、一人旅の独身者と同じようにふるまいたがる夫や妻がいるとしたら、それは家庭の破壊の要素です。結婚した家庭生活というものは、だいたい個人の不自由、つまりソローのいう連れの用意ができるまで待つ、という不自由を前提として成り立つもので、その不自由を、自由の意識をもって耐え忍ぶ、ということが結婚生活の一面にあるといえます。

 

口男の最善の財産は

 「男の最善の財産は、おもいやりに富んだ妻である」とギリシアの大詩人エウリピデスが言っていますが、この言葉はたんなる男の身勝手ばかりとは解釈できません。男というものは、思いのほか甘ったれやです。妻のおもいやりを拒むように見せかけて、実は大

へんいい気持になっているのです。その気持から仕事がうまくいって財産が生ずるというわけですから、新婦美喜子さんは、まさにエウリピデスの言葉通りの良妻であると信じて疑いません。

 

□ユーモア・ダムとムダ

 結婚はダムみたいなものです。ダムをひっくりかえすと、ムダです。ダムにならない川水はムダに流れているように、結婚以前はとかくムダな流れが多いものです。橋本君のムダな通勤の流れにもダムができました。これから素晴しい人生の大発電が行なわれるにちがいありません。

 

□ユーモア・ヘソクリ

 女房のヘソクリの大先輩は、戦国武将の山内一豊の妻で、皆様よくご存知ですが、そのヘソクリを何かの用に役立てたときは、ゴマをかみしめた味です。甘く香ばしい世帯の味でもあります。ゴマ油のように、ヘソクリは世帯からしぼるほどにたまるものです。このゴマをかみしめた味が、家庭経済の潤滑油となるので、大いにヘソクリをお願いいたしたい。

 

□ユーモア・多情と誘惑

 男も女も大ていは多情なものだそうです。夫婦の愛情が、ほんとうのものであっても、肉体的に引きつけられる異性が目につくもので、そこをぐっとがまんしているのが普通です。ちょうどそれは、会社の出納係が、盗みたくなるような大金の誘惑にかられながらも、大金を正直に扱うのと似ています。長谷川君は有能な出納係として信頼されていますので、きっとこの多情の通説もだいじょうぶだと思います。

 

□ユーモア・めでたい頭

 この間テレビクイズのゼスチャーの問題に、クシも整髪料もドライヤーも必要のない頭、というのがございました。オレのことを言っていやがる、と一瞬いやな気がいたしましたが、考えてみますと、これは年功のたまもので、まことにおめでたいものでございます。このおめでたい頭が出向きますと、大ていのことは丸くおさまります。したがって親戚中でもめごとの仲裁役として、重宝がられています。しかし新しく親戚になった高橋さんのご家庭で、この頭が重宝がられることのないよう頭ぬきでおつきあいください。


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