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 晩婚の仲人のあいさつ

 ひとこと媒酌人としてごあいさつ申しあげます。先刻大神宮の社殿におきまして新郎、新婦には結婚の儀式をとどこおりなく相済まされました。ここに佐野、齋藤両家の新しい親族が発足し、まことにおめでとうございます。

 新郎佐野真一さんは、わが杜の営業部第二課長でございます。入社後すでに十五年を越え、その間よく業務に専念され、その新しいアイデアとともに数々の業績を上げられたことは、今さらここで申しあげるまでもございません。全く仕事の鬼ということばがございますが、佐野さんは仕事そのものが面白くてたまらず、それが生活のすべてでもあるかのようでした。そのためか大切なものを忘れてしまいました。いや、忘れるというより、眼につかなかったのかもしれない、それは結婚であります。

 そんな過去において、佐野さんの男性的な魅力に、好意を寄せる女性も、むろんいく人かあったはずですし、佐野さんも意中のひとの一人や二人はきっとあったにちがいない。それにもかかわらず今日まで結婚に結ばれなかったのは、佐野さんという惑星の軌道が少しオーバーなので、それにめぐり合う女星つまりスターウーマンとの出会いがなかったのだと思います。

 新婦美由紀さんは、まさにそういう佐野さんの軌道に乗り得る唯一の女星として輝いていたのです。今やその二つの惑星は一つに合して、新しい人生の軌道に輝かしく乗り出されたのでございます。こんなめでたいことはございません。

 世に晩婚という言葉がございます。四十歳での結婚は確かに遅い結婚に当るでしょうが、今日では九十歳の方が活躍し、人生百年ということも夢ではなくなった現在、今までの晩婚という考え方は「青春時代」と改めねばなりますまい。わたしたちは佐野さんのご結婚に、この青春の意義を見出したいと存じます。

 新婦美由紀さんは△△看護婦学校卒業後、看護婦となられ、国立TK病院へ長年お勤めになり、この度のご結婚で退職されましたが、非常に趣味の広い方でございます。天職の中に励んでこられた美由紀さんは、いよいよ佐野家の仕上げにかかられるわけですが、あぶなげのないすばらしい新家庭がきずかれることと思います。

 ご出席の皆様には、本日はご多用中のところ、ほんとうにありがとうございました。どうか、今後とも佐野夫妻の上に限りないご声援をたまわりますよう、お願い申しあげます。粗酒粗肴不行届の点は、あらかじめお許しのほどをお願いします。

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