社長が頼まれ仲人となったあいさつ

 媒酌人としてひとことごあいさつ申しあげます。本日の佳き日をえらび、桧山進次郎君、小松真梨子さんのご婚儀は、先刻めでたくご神前においてとどこおりなく用済みました。このご報告をさせていただく光栄を、私自身大きなよろこびとするところでございます。

 この度の桧山、小松両家のご縁組みにつき、本当の仲人役を果されたのは、新郎桧山君の先輩掛布雅之さんでございますが、桧山君が私の社の技手である関係上、乞われるままに不肖私が名目上の媒酌人ということに相成ったわけでございます。この掛布さんの陰のお骨折りもあわせてご披露申しあげ、今日の喜びをともにいたしたいと存じます。

 さて、慣例によりまして、新郎、新婦の略歴をご紹介いたします。

新郎桧山進次郎君は、山梨県のご出身で、農業の桧山常太さんと奥さんのたみ子さんの三男に生まれ、郷里の中学を卒業後、直ちにわが杜へ就職されました。爾来十年、勤務と並行して社の教育機関で高校、大学課程の教養と技術を、優秀な成績でおさめられた、まことに、まれに見る勤勉力行の好青年でございます。現在第二設計部の主任補佐として、将来が大いに嘱望されているはもちろん、そのいわゆる苦労をつみ上げた人格は、まことに円満、だれにでも好かれる人徳がございます。

 新婦真梨子さんは山形県のご出身で、小松左太郎さんと奥さんの常子さんとの次女に生まれ、郷里の商業高校卒業後、わが社の経理部へ入社されたのでございます。

 かように申しますと、お二人は世間にいう職場の恋愛結婚のようにとられますが、決してそうではなく、お二人は友人として長年交際きれ、その間にあって今日の結婚へ導かれたのは、さきほどちょっとご紹介申しました、桧山君の先輩掛布さんであります。この間のエピソードにつきましては、いずれ後ほどお祝いの中で述べられることと思います。

 以上のような次第で、今日の盛儀を迎えましたことは、たんに桧山、小松のご両家、新郎、新婦のご両人のみならず、われわれもまた、はなはだ喜びとするものでございます。お二人にはこれから新しい人生行路が始まります。それは一家を建設されることであります。

 桧山君は、若き設計マンとして数々の傑作を生み出しましたが、自分の家庭にも必ずや、すばらしいアイデアと、そのよき運営が、期待されるにちがいありません。

 しかしながら、一家をかまえるということは自分だけでよくなし得るものではなく、そこには社交上、いわゆるおつきあいなるものが生まれます。つまり人間関係でございますが、私は人間関係はベアリングに支えられて回転するシャフトのようなものだ、と常に思っております。

 そのベアリングは三つありまして、それは相手への尊敬と思いやり、そして迷惑をかけない、というこの三つのベアリングが同じ大きさでどれも磨滅することなく支えているとき、人間関係のシャフトは、焼けることもなく、完全に回転して人生建設への大きな動力をつたえるのであります。たんにこのことは対世間的な人間関係のみならず、夫婦の間の人間関係にも同じことがいえると思います。

 どうか皆様におかれましても、今後とも末長く、この新夫婦にご支援を賜わりますよう、お願いいたします。

 本日はご多用中のところ、ご光来をかたじけのうしありがとうございました。席次のほか諸事不ゆきとどきの点は、両家になりかわりまして、お許しをいただきたく願い上げます。べつに大したおもてなしもございませんが、どうか、ごゆるりとお過ごし下さいますよう、ひとことごあいさつ申しあげます。


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