■職場事故死の友を悼む

君は、非常に優秀な溶接工だった。いつも率先垂範して困難な作業、危険な業務にとり組み、人一倍努力する人だった。そして、君のその真面目で誠実な姿勢何事にも熱心に進んでとり組んでゆく意欲は、模範工員として、将来が大いに期待されていたのです。

あの日、突然火花が飛び、君はその反撃で頭をひどく殴打したのですが、それが君の生命を奪う結果になろうとは、無念の哀しみに、ひそかに慟哭するようでした。

君は、入社以来六年、班長として常に現場工員の面倒を見、親切に、細心に、ときには果断に、よく物事の真髄をとらえて処置し、部下に対して親身も及ばぬ愛情をもって仕事を指導し、わたしは君には安心して何事も仕事をまかせておりました。また一方では、君は自然を愛し、山を愛し、会社の山岳部のリーダーとして、若い人達の信頼を集めていました。事故当日も、新入工員を集めて"入社歓迎山行"のプランを立てていたとの事で、ついにその山行は、かなえられなかったわけです。山での君のヨーデルはかなりの定評があり、私も一度聞かせて欲しいと希望していたのですが・・・。

しかし、君の部下たちは、日増しに有能な熟練工となり、今やますます工場の生産能率をあげております。そして君の遺訓を守り、技術を向上させ、よりいっそうの努力をつんでいくことと信じます。彼等は、これが君への唯一の御恩報じであり、一番安心してもらえることなのだと、よく知っているからです。どうぞ、安らかにご永眠ください。つつしんで君のご冥福をお祈りします。

 スピーチ例に戻る
 

平日限定30食 幻の塩中華そばを自宅で!!