■殉職署員を悼む

 

民衆保護の治安に任ずる警察官は、しばしば不逞の暴力の前にさらされます。その危険に立ち向かい、邪を断ち正を助けるは警察官本来の任務でありますが、突発的な危険の起こり易き昨今の社会事情において、○○巡査の殉職は、痛みても余りある痛恨事であります。○○巡査は昭和00年山梨県巡査を拝命、爾来○年××駐在所勤務を振り出しに、本年○月より当署転属となり、K派出所に勤務されました。同派出所の管内には新興住宅地を持ち、近年とみに犯罪行為の激増した地区として注目されていました。○○巡査はこの地区の勤務に当たり、至誠よくその警備成績をあげ、住民の信頼感を高めていましたことは、まことに敬服のほかはありません。かかるとき、○月00日の夜半、派出所前で職務質問中の○○巡査のすきをみて襲いかかった暴漢を、重傷にもひるまず追跡、ついにその職務に○○巡査は倒れました。まことに痛ましきかぎり、この前途有為の青年警察官の命を奪った凶悪は、断じて許せません。いまだ犯人の検挙に至りませんが、わが警察力をあげてその凶悪犯逮捕に専念しています。○○巡査の霊、いましばしみそなわせ給わんことを。00日特旨をもって巡査部長に昇進されました。あわせもって瞑されんことを。その勇気と使命感は、永くたたえられて当署警察史に残ることであります。○○巡査部長の霊よ、安らかに、ご冥福を心からお祈りいたします。


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