◆　地区商店連合会の会長に選ばれて

ただいま、皆さま方から、商店連合会の会長という大役を仰せつかりました、○○△△でございます。

　大都市を近隣にひかえた、この小都市の商店連合会会長といたしまして、皆さまのご納得のいくような運営をするには、どうすればよいか、いささか混迷状態でございます。いいわけはさておきまして、ここで現在私たち中小企業者のおかれている環境の一端にふれてみたいと思います。

　年々私たち零細企業者をとりまく経済環境は、ますますその厳しさを増し、バブルがはじけて以降、極度にその深刻さをましてきております。求人問題あるいは近代装備と設備をととのえた大手企業の攻勢、それにひきかえて、私たち零細企業者の実態は、資金的にも人材的にも、その他いろいろの点にも大きなハンデを背負いながら一日一日を悪戦苦闘しているといっても過言でないと考えます。

　前年度における中小企業者の倒産は、遂にその数一万を突破し、今年も同じような状態が続くものと想定されます。そこで、当商店連合会執行部にありましても、なんとか、このような経済動向に対応でき得る体質構造を、日ごろ関係者間で話し合ってはおりますが、それを可能なものにするのは、一にも二にも、商連を構成する各個の皆さまや、各単組の構造の改善がされない限り、まずむずかしいといわざるを得ません。

　このような現象は、ただ単に当地区だけのものではありませんが、特に当区の商業者にいえることは、あまりにも従来、交通機関や繁華街などの関係から、極端に競営、競争する対象が少なかったため、時のながれから、じゃっかん取りのこされたという感がなくもありません。

　最近の消費者動向は、地元買いの生鮮食料品に例をとっても、10円の価格差に対して1キロを遠しとせず、20円で2キロ移行することは、否定できない事実です。もちろん、価格の面ばかりでなく、店の格・ムード・特色などについても当然同じことがいえるわけで、すでに、並べておけばいつかは売れるだろうという考え方では、消費者から忘れられた存在となることは、火をみるより明らかといわざるを得ません。

　今期の頭初にあたり、自己の経営の具体的計画性をもち、その一つ一つを強力に実行に移し、はげしく移りかわる経済動向に、対応でき得る態勢を確立するよう、また、組織のなかにあっては、少なくとも親睦団体から、運命共同体としての生活団体に脱皮し、よりよき組織作りのできますよう念願し、私のごあいさつといたします。