◆ 議員当選の謝辞1(初当選)
本日は、私のためにこのように盛大な祝賀会を開いていただき、身に余る光栄と、深く感謝をいたしますとともに、心より恐縮いたす次第であります。
さきほどから幹事や有志の方々から、身にすぎたおほめの言葉をいただき、冷汗三斗の思いで、身のおきどころに窮しております。おほめいただきましたような政治的手腕は、あいにくと持ち合わせがなく、政治生活も今回がはじめてであり、ごらんのとおり、平凡な一市民にすぎないのであります。
今回の選挙は、いままでにない激しい選挙戦といわれ、おあつまりの皆さまはもとより、多数の方々が、この名もない私を推してくださったことは、一見、不思議なことのようにも思われ、私自身、当選ときかされても、容易に信じられなかったほど、たたかいは激しく、予測しがたい事態でありました。
ここに、ご支援を惜しまれなかった皆さんに、心から感謝の意を表するとともに、私のような平凡な人間を当選させてくださった、真の意義について、改めて考えさせられた次第であります。
そもそも、政治にたずさわるのは、何か特殊な人だけが関係するというような考えが、一般に根強くつちかわれています。したがって政治家といえば、弁護士か公務員だった人が多いのも、事実であります。しかし、それがほんとうの政治家のあり方でしょうか。民主主義の発達した英米においても、多数の法律家が議員に選ばれてはいますが、地方自治にあたるには、必ずしも法律家たるを要さない、というのが私の信念であります。
地方議員の最大の任務は、常に一市民の立場から、市民生活の改善と向上をみまもることだと信じ、非才無経験をもかえりみず、立候補した次第であり、この信念にご共鳴くださった皆さまも、私の一市民としての活躍をご期待されていることと思い、私としても心づよい限りであります。
このようなわけで、本日この席で、高遠な理想や、幾多の政策を掲げることは一切いたしません。私は、あくまで議会に白紙でのぞみます。そして、市民の立場から、個々の現象を批判し、あるいは提唱して最善をつくしたいと念願しております。
今日の政治に期待する一般市民の声は、高遠な理想や、一部政治家の私欲にもとづく駆引きではなく、古いことばではありますが、"最大多数の最大幸福"であり、それに対する強烈な意志、これが今日の政治の急務と確信して、ご支援いただいた皆さまのご期待を裏切ることのないように、力をつくす覚悟でおります。
皆さま方も、一度投票してやれば、一切が済んだとはお考えにならず、常にご指導、ご協力くださいまして、この重責を果たすことができるようお願いいたしお礼とごあいさつのことばといたします。