◆ 市民山の会の会長に推されて

 

 このたびK市市民山の会の会長に推薦された○○△△でございます。

 考えてみますと、K市の山登りの歴史は古く、明治元年開港K市にやってきた、英国貿易商ハクルームら外人が、当時ハイキング趣味などを持ち合わせていなかった市民の前で、山登りを愉しみ、見よう見まねで市民の間にも広がっていったと思われます。

 大正末から昭和のはじめにかけて、民間の登山グループがあちこちで誕生し、平日で二万人、祝祭日には四万人以上の市民が、六甲連山に押し寄せたといわれています。そして終戦後は、市民の体位向上とレクリエーションをかねて発足した「山の会」が順調にのびていったのも、戦前からの下地があったことと、戦後三代にわたる各会長のご尽力のたまものと思われます。

 市民山の会の特色は、市民なら老若男女を問わず参加できることにあります。また当会では、市に近接して山があるという地形の有利な点を十二分に活用して出勤前の早朝登山を行なう人が、各山とも一日平均三百人はあります。山頂では大自然の中に下界の雑念を忘れ、全員でラジオ体操を行ない、朝もやの中で思いきり羽根をのばして、一日の英気を養います。

 早朝登山には参加しないが、とにかく毎日一度は山に登るという会員は、一日約二千人あります。登山回数、登山者の層の厚さでは、日本一の山の会であると私は確信しております。しかし、先日の毎日登山者の平均年令を調べましたところ、60歳という数字が出て、今の関係者としては、そろそろ若い人の参加をさらによびかけ、会員の若返りをはからなくてはならない時期にきております。

 まず会員の若返りをはかり、次の世界レクリエーション大会には、日本代表としてぜひ参加したい、これを目標に会長に私が選出されましたときは、大いにがんばりたいと思っております。


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