◆ 団地自治会の厚生部長に立候補して
東棟102号におります○○△△でございます。私はT重機工業のデザイン室長をしております関係で、この団地に入居しましたとき、まずお金をかけずに楽しいムードの部屋にするにはどうすればよいかを考え、白宅の家具、机、イス、棚、ベッドなどを全部手作りで製作をしました。
そんなことが動機になり、ご近所の方から、家具の選び方、部屋を広くする工夫などを話し合っているうちに、自治会のおつき合いを通じて、いろいろ皆さんのご相談をうけるようになりました。そこで、これなら自治会のひとつの部会にしたら、という話になり、団地文化祭でパネルを展示してよびかけ、"リビングデザイン研究会"が誕生したのは、一昨年のことで、すでにご存知の方も多いと思います。
私は、このリビングデザイン研究会を通して皆さんとおつき合いをしてきて感じましたのは、団地生活で大切なことは、まず生活の目標を決めることだと思います。目標がしっかりしていないために、目についたものを何でも無計画に購入して、生活の秩序がとれなくなってしまう。次に経済生活の合理化を考えることです。一つの家具は一目的だけに使わず、また高いものを買う必要はなく、器用な人なら日曜大工の製作で十分間に合うものです。
そして最後に、情操を豊かにすること、生活にムードをもたせることが必要と思われます。以上のような体験的実感をとおして、私はさらにこれを団地の生活環境をよくする方向に広げていきたいと、思うようになってまいりました。
従来の厚生部の仕事をもう少し広げて、今度は団地内の横のつながりを深めるために、春秋の運動会とか日帰り旅行などもそろそろ計画してよいのではないかと思います。そして、そのようなつながりの輪ができあがれば、隣の部屋の奥さんがガス自殺をしたのも分からなかった、というような不幸なことも少なくなっていくのではないかと思われます。
生きものを飼うことも許されない団地の生活に、せめて人間らしさをとりもどす工夫を、というのが私の厚生部長に立候補した抱負でございます。