◆ 課長新任のあいさつ

 

 このたびの異動で当課の課長に任命されました○○でございます。なにぶんにも新米の課長でじゅうぶんに職責をはたせるかどうかはなはだ疑問ですが、私なりに一生懸命やるつもりですから、よろしくお願いします。

 辞令をいただいてからは、私なりに課長という仕事はいったい何だろうかと、いろいろ考えてみました。そして社員からよい課長といわれたいままでの課長を思い浮かべてみますと、課員一人一人の能力をよくみきわめてその人に合った仕事を配分し、あるときは思いきって課員に重要な仕事を任せ、適切な助言と、はっきりした決断をくだし、責任はあくまでも課長がとるといった課長はまったく頭が下がり、この人のためになら、もっともっと働かなくては、と決意したものでした。つまり課員の皆がやる気を起こすような環境を作ることが課長の一つの大きな仕事だと思います。

 こうした先輩の名課長を思い浮かべるにつけても、今の私があまりにも浅学であり、経験も浅く、人間的な魅力にも大変とぼしいことに思いいたり、いささか自信を喪失しております。

 しかし私は私なりに、皆さんといっしょになって苦しみ、失敗し、勉強しながら、少しでも前向きの姿勢で、仕事をやっていきたいと思います。

 私の任務は、会社の経営方針をできるだけ正確に皆さんに伝え、協力していただくとともに、皆さんのアイデアや提案を、トップの経営方針に反映させるよう努力する義務があります。ですから皆さんも、「こんなことを言っても、どうせ会社はとりあげてくれない」などとあきらめないで、何でも気軽に私に話してください。

 皆さんの意見をトップに伝える私のパイプはまだ小さく、細いのですが、何度もいろいろな意見を通し、時間をかけて、これを大きく太くしていきたいと思っています。そしてこのパイプが大きく太くなったとき私もやっと一人前の課長になれるのです。どうかよろしくお願いいたします。


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