1 着任 の あ い さ つ
◆ 商社支店長着任のあいさつ
このたびの定期異動ではからずも当地の支店長を命じられ本日赴任してまいりました○○でございます。
当支店は、前支店長△△さんのもとで発展をとげ、そのあとを引き継ぎましただけに、なかなか責任の重大さを感じております。支店長とは申しましても、赴任以前は本店の庶務課長として社内の中の業務についておりまして、こういう業務担当の第一線である、販売の前戦基地としての当支店に、私のような新米支店長が赴任したのでありますから、内心は不安と期待の入りまじった複雑な気持でおります。
こちらには販売では神さまといわれるような方々もおり、いわゆるプロ・サラリーマンとしてのベテランの多いことは、新米支店長として心強い思いです。
支店の業務の拡張につきましては、本社から割りあてがありますが、詳しいことは販売会議にゆずります。ただ支店長としての私の役目は、支店全体のエネルギーをむだにしないよう、皆さんの目ざす方向をきめ、会社全体の進んでいる方向と各自の仕事との調整をしたりして、皆さんが張り切って、おもしろく仕事ができるようにかじをとることだと思っております。
つまり、第一線の皆さんと支店長とはそういう分業の関係にあるというだけで、仕事の本質としては同じです。いわば一心同体であり、皆さんの支持、ご協力がなければ、この分業は一歩も前進いたしません。
あの著名な電機メーカーのソニーの前会長・盛田昭夫氏が、「働くとは、”はた”を”らく”にすることだ」ということをいっておられますが、まことに至言だと思います。
当人は、一生懸命にやっているつもりでも、「ハタ迷惑」や「ハタ苦」になっていることもありますし、おれが一日休んだら、まごつくだろうな、と「はた」を「らく」にしないことを得意として内心考えているアマ・サラリーマンも、サラリーマン社会には少なくありません。
私は当支店長として、大いに「はた」を「らく」にするようがんばるつもりでおります。どうかこの新任の一年生支店長にご協力をお願いする次第でございます。