ビデオ判定
 日本の国技「大相撲」では、みなさんご承知のように、微妙な一番があると、土俵下の審判がすかさず手を挙げ、いわゆる「物言い」をつける。
そして真ん中に据えられた行司が、まるでなにやら怖い人に囲まれ、因縁を付けられてビビっている少年のような光景を目にすることになる。
そして審判部長が、NHKのビデオ室とイヤホンでやりとりし、あっという間に最終判断をする。そして「ただいまのぉー、きょおぎについて、ご説明いたします。(サドガタケ調に) 行司軍配は、○方の力士の有利と見て〜」と、マイクで館内に放送。
これによって、館内で観戦している人も、座布団敷いて家で観戦している人も、万人が納得する形で勝負が決着する。
 
私は個人的に、この制度を素晴らしいと思っている。(異論のある方はどうぞ)聞くところによるとこの制度は、大鵬が45連勝しているときに、微妙な判定があったのをきっかけにできたものという。そこでである。

 なぜ、国民的スポーツとなっている「野球」で採用しないのだろうか。これまでホームランの判定、アウトセーフの判定、ファールフェアの判定等、審判の誤審といわれるものが幾たびあったことか。素人目にもわかる誤審も多々ある。その中には選手が明らかに開き直って抗議する場面もあるが、テレビで見る限り「これは絶対セーフだろう!」とか、「あれは完全に足に当たってるぞ(つい先日の巨人対中日戦のように。)」などという試合は無数にあるように思う。


 野球の母国アメリカでは、最近ビデオ判定をした試合新聞でが大きく取り上げられた。それに対して日本プロ野球界では、「シーズン中に採用することはない。」とコメントしていたが、これは前向きな発言なのか、全く認めようとしない発言なのか、どちらかは不明だが、日本プロ野球界、本家アメリカで、もし仮にこの先ビデオ判定が主流になった場合、どのように対応するのだろう。全く無視していくのであれば、かつてソ連が崩壊したときに、そのまま共産党という党名を残し、有名無実化した日本共産党のように、日本プロ野球界も独自の道を選んでいくことにはならないだろうか。それはそれでいいのだが、これからはオリンピックでもプロ選手がでられる時代。このままでは日本の野球のレベルが低くこそなれ、決して上には向くことはないのではないかと、わたくしMick.Rは憂慮しているのである。