2001.8.30 

「ある少年の物語」

 

 あなたは生まれたときから立派なおうちに住んでおり、

周りのみんなもうらやむような環境で育ってきました。
 
 小さい頃から成績が良く、常に学年のトップクラスです。

ろくに勉強もしないのに、テストでは必ず力を発揮しました。

クラスのみんなは、そんなあなたを羨望のまなざしで見つめていましたが、

どこか変とも感じていました。いつもツンツンしているあなたには、友達もあまりいませんでした。


そんなあなたの、化けの皮がとうとうはがされる日がやってきます。



テストの際、あなたはいつもカンニングをしていたのでした。

それもかなり巧妙な手口で。先生もそれにはなかなか気づきませんでした。

 ある日、あなたの卑劣な行いを発見した友人が、あなたのためを思い、

先生にその事実を報告しました。先生は、にわかにはその事実を信じられませんでしたが、

あなたが罪を認めたため、目に涙をため、あなたに鉄槌を食らわしました。

先生は断固としてあなたを許しませんでした。

それは長年に渡り自分を裏切っていた事への怒りもありましたが、

何よりも成績優秀で通してきて、それを信じ込んで明るい将来を夢見ている

両親・家族への申し訳ない気持ちが大きかったからです。


 

 たまりかねた先生はあなたの学校の机の中を見てみました。

すると・・・ありとあらゆるカンニングペーパーとともに、家族からの先生に宛てた手紙が多数発見されました。

それは両親が我が子の最近の様子(挙動不審)を心配して、

先生に悩みを吐露する内容でした。あなたはそれが先生に渡ると

とてもまずいことになると思い、勝手にしまいこんでいたのです。

その数は未開封のまま、何十通もありました。


 事の一部始終を学校側から説明された両親は、愕然としました。

これまでずっと育ててきた息子に裏切られたショックは、

はかりしれませんでした。あなたに明るい未来予想図を描いていた両親は、

大いに失望しました。

 


 あなたが犯してきたこれまでの不正の積み重ねは、そう簡単にぬぐい去ることのできる問題ではありません。

学校としても一生徒の問題としてはちょっと大げさだと思うくらい、この問題を

大きく取り上げましたし、教育委員会にまで報告したのです。

教育委員会では、たまっていた手紙を全部持ち帰り、その内容は学校側にも公表されました。
 

 


 あなたはあなたの親族一同からも非難が集中しました。

親族の中には、もうあなたと縁を切るとまで言い放った者もいます。まさに絶縁です。

あなたはこんな事をして反省しているのですか?どうもまだ反省しているようには

見えません。


 

 あなたは私に、「僕だけが悪いんじゃないよ・・・・友達の本田君だって、

松田君だって、鈴木君も、冨士さんも、みんな少しはやったことなんだよ。

僕がたまたま見つかっただけなんだ・・・」と、信じられないことを言いましたね。

心から反省しているとは、まだ思えません。


 しかし私はあなたの祖父です。

縁を切ることはできませんし、あなたをまだ愛しています。

あなたは我々をだましながらも、良い子であったこともまた事実なのです。

どうか元の素直で、マジメだった頃のあなたに戻ってください。

決して今回の問題を人のせいにはしないで。

(おしまい)


わかりやすくするキーワード
あなた=何を指すかおわかりですね(^_^;)
先生=なんとか省
チクッた友人=社員
友達=他メェカァ
家族=ユゥザァ
学校=マスコミ
教育委員会=K察


このお話を秋田三菱自動車販売(株)本荘営業所の工場長M氏に是非読んでもらいたい(^_^;)

トップへ戻ります